気付かぬ想い

□第10話
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夢莉ちゃんと分かれてからなんでかわからないけれどずっと夢莉ちゃんのことが頭から離れない。しかもなんだろうさっき抱きしめてくれた時のどこか懐かしいようで安心した感じは、、そんなことを考えていたらいつの間にか寝ていたようで目を開けると朝になっていた。


今日はなんとなく朝早く家を出てあのお気に入りの場所に寄ってから学校に行きたい気持ちだ。こんなに朝早く家を出るのは久しぶりでいつもより駅は静かだ。駅のホームを見ると夢莉ちゃんがいる。なんだか早く会いたいなと思ってホームまで走った。

「夢莉ちゃ〜ん」
「彩さん⁈ おはようございます。」

一瞬驚いたような顔をしていたがすぐに笑顔で手を振り返してくれた。

「夢莉ちゃんっていつもこんなに早く行ってるん?」
「毎日じゃないんですけど、わたしが迷子になった日に連れていってもらったあの場所を知ってから早く起きれた日はあそこに寄ってから学校行くようにしてて、、」
「そうなんだ。今日、わたしもあの場所行こうと思って早く家出たんだけど、一緒に行かない?」
「えっ、いいんですか?わたしなんかが一緒で、、」
「、、一緒に行こうと思ったから誘ったんだけど嫌だった?」
「嫌なわけないです。一緒にいきたいです!」

一瞬わたしと行くのが嫌なのかと思ったけれどそんなことはなかったみたいで安心した。

「もうここの桜も全部散りそうやね。」
「そうですね、そろそろ4月も終わりますから、、」
「ちょっと止まってください」

そう言うと夢莉ちゃんはわたしの髪の毛に手をのばした。なんだかちょっとドキドキする。何をしてるんだろう、、

「はい、取れたましたよ。さくらついてました。」
「え、桜?ありがとう。」
視線を感じる気が、、
「まだなんかついてた?」
「かわ、、いやなんでもないです。」

そろそろ時間がきていたから学校に向かって昇降口で別れた。

あ「おはよう、朝からぼーっとしてどうした?」
「いや、べつに」
あ「べつにじゃないやろ、お悩みはこのあかり大先生に任せなさーい」
け「何してんの?」
あ「あっ、恵ちゃん、なんかさや姉が悩んでるみたいやねん」
「「恋の悩みなら私たちカップルに任せなさい!」」
「一緒にいると安心したり、その人のことが頭から離れなくなったりすることある?」
け「それって恋じゃない?」
あ「わたしもそー思う、てか今まで恋したことなかったん?」
「うん、、告白されたことはあったけど、、」
あ「もしかして夢莉ちゃんだったりして?笑笑」
「そ、そんなわけ、、」
「「図星か笑笑」」
「そんなんじゃないって」

わたしはなんだかその場にいるのが恥ずかしくなって教室を出た。今まで告白をされたことは何度もあったが好きな人ができたことは一度もない。この気持ちは恋なのかな。階段を降りて中庭に出ようとしたら、前から同級生の子と仲を良さそうに腕を組みながら夢莉ちゃんが歩いてきた。胸がきゅーっとなる。何だか苦しい、、


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