短編

□終わりを迎えにいこう
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※裏ではありませんが少し大人な描写があります。


「嫌だっ、……やめてッー……!」

「はっ、それしか言えないのか 人間」


下に組み敷く人間は、ただ暴れるのみで大人しくなりもしない。弱い力で抵抗など無駄な事だというのに、なんとも諦めが悪い。

「いい加減、素直に嬌声でもあげたらどうだ? 拒絶の言葉は聞き飽きた」

計画の為とはいえ 何故この私がこの様な小娘相手に戯れをしているのだと最初こそ気が進まないものだったが、事を始めてしまえば案外 悪いものではなかった。

孫悟空と行動を共にするこの女に目を付け、攫い、それだけでは物足りなさを感じ 私は女を汚す事にした。
神が自ら人間風情に手を出すなど愚かな事だが、孫悟空の絶望しきった顔を拝めるとなると 少しくらいはこの行動に付き合ってやってもよかろうと自分自身を納得させ、今に至る。

「神が直々に交わりをしてやるのだ、少しは有難みを感じたらどうだ?人間」

「っ、あんたなんか神じゃない!…触るな!」

「人間の分際で神を愚弄するとは…自分の立場が分かっていないようだな。威勢だけは褒めてやる」

上で束ねて拘束している女の手首を力強く握ってやれば、女は痛さゆえに呻き声をあげた。
少し開いた女の口、この隙を逃さない。

「んッー、!」

唇にかぶり付き、空いている片手で顎に掴みかかり固定をすれば 最早此奴の逃げ場なんぞ無いに等しい。
口内で逃げ惑う舌を絡めとり、強制的に官能的な接吻をする。
互いの舌と唾液が絡み合うこの感覚は 悪くない。

「(……まだだ…)」

先程も触った女の胸部に、手を当てる。
途端に女の顔はどんどん青ざめていった。

ああ、接吻をしながらは まだだったな?
余興としては上々だろう?

「っんッぅー……!」

ソレを手で揉みしだきながら、口内の舌を休める事無く接吻を続ける。
段々と甘いものになっていく女の声は面白い程に俺自身を昂らせる。

「随分な反応じゃないか、なぁ?名無し…」

興味が無い筈だった人間である奴の名を口にした。
案外、俺はこの女に興味深さを感じているらしい。
いや…興味だけでは無いだろうな、この感覚は……

「俺を見ろ名無し……いいか?今からする事は全部 孫悟空がやっているんじゃない。それだけは嫌でも自覚してもらうからな」

布地の下にするすると手を忍ばせ、湿気を帯びたソレに触れる。
途端、彼女の目からは何粒もの涙が溢れ出る。


拒絶の言葉は許さない。
孫悟空とも錯覚させない。
嫌でも現実を分からせる。

そこには、今から正に行おうとしている行為に神らしからぬ想いで、熱に覆われた自分がいた。


終わりを迎えにいこう
(メインディッシュといこうじゃないか)
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