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「…ん、あ、れ…」
目が覚めると、自分は寝台へ身を伏せており横には王騎がいた。
「王騎、様…」
「丸五日寝ていましたよォ」
「そう、ですか。なんだか私…長い夢を…」
「…どんな夢ですかァ?」
「膠が…百個目の城をとるとき、死んで…」
「名無しさん…夢ではありません」
「いや…夢でした!夢です。私その後、ここまできた記憶が無いんですよ。すごい寝ちゃってたみたいですね」
名無しさんはまるで自分に言い聞かせてるようでもなく、長く寝てしまった自分に悪びれ、笑ってみせた。
「…そうですねェ。ですが名無しさんが寝ていた間は特に何もありませんでしたよォ?少し疲れていたのかもしれませんねェ…」
「すみません。まだ少し…眠いです」
「そうですか。ゆっくり寝てくださいねェ」
王騎は名無しさんの頭を優しく何度か撫でると、部屋をあとにした。
「…ふふっ…少し体調崩すと王騎様は甘いなあ、膠には悪いけどっ」
王騎に撫でられた頭に名無しさんは自分の手を乗せた