ぶっく

□祭りの準備
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「ねえ、ねえ、m今年の学園祭隣のクラスと合同で行うらしいよ」
興奮ぎみで親友の若が私に話しかける

「そうなんだ確か隣のクラスって、若の彼女さんのクラスじゃない?一緒にやれてよかったじゃん」
そういって返すと
「本当はクラス違ったから一緒に準備とかできないと思ってたけど、まさかこんなことになってめちゃくちゃ嬉しいよ」
そういって屈託のない笑顔を若は私に向ける。こういう部分が女の子に人気になるんだろうななんて違うことを考えながら次の授業の準備に取り掛かる。



『今回の文化祭の準備は隣のクラスへ移動して行うらしい』
授業後のホームルームを聞き流していたmが唯一手に入れた情報だった。そのため若と一緒に実行委員になっていたことも結果報告として放課後に聞かされることとなった

「ちょっとなに面倒くさいものに巻き込んでるんだよ」
「ごめんごめん、彼女も実行委員やりたいって言っててさ、たくさん一緒にいたいじゃん?それにmもこういうイベントにたまには参加したほうがいいと思って、学生生活何て限られてるんだからさ
大事なのは青春だよ青春、アオハルってやつ?」
そうふざけたように笑う彼女を見て、mは深いため息をついた。

どうやら実行委員の主な仕事は、隣のクラスとの進行具合などの調整らしい。
今回主な準備などは隣のクラスで行うため、mたちの仕事は隣のクラスとmたちのクラスとの進行具合などの調整、話し合いなどである。はっきり言って雑用や伝誤飲係がmの仕事らしい。彼女と一緒にいたい若は、きっと隣のクラスに行ったままだろう。結果私がその伝言係などをやる羽目になるのである。
「何がアオハルだよ」
そう文句を呟きながら隣のクラスへ移動すると、二人の女性が待っていた。

「s君ごめんね、実行委員二人でどうしてもやりたいって聞かなくて」
若の彼女が申し訳なさそうに話しかけてきた
「sさんこういう係とか苦手なの知ってたけど、もう一人はsさんしか考えられないって聞かなくて」

若の日頃聞かない気持ちを聞き、なんだか少し照れ臭くなってしまった。そう思っていると

「私のクラスのもう一人の実行委員を紹介するね、こちら齋藤飛鳥さん。私のクラスはもう一人立候補が出なくて、くじ引きの結果齋藤さんに決まったの。齋藤さんもsと同じで目立つ場所とかポジションとか苦手だから仲良くしてあげてね」
若の彼女さんはそう言うと、斎藤さんはぺこりとmに頭を下げた。お辞儀でこんなに深く頭を下げる子がいるんだなとその場には似つかないようなことを考えていると、なんだかその姿から目を離せなくなってしまっていた

「m、見すぎ」
若に注意され我に気付く
「よろしくね斎藤さん」
そう言って同じくらい深く頭を下げた
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