小説

□無題
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…身体が、熱いと思った。
それは、焼かれているような熱ではなく、内側から湧き上がる、未知の熱。
「っ…ふ、ぅ…」
目を開ける。見知らぬ顔ばかりだ。
「よう、目が覚めたのかい、ジャンヌちゃん?」
にやりと目の前の男が笑う。…気持ちがわりぃ。
「お前にその名を呼ばれる筋合いはねえよ。このクソ野郎ども。」
…手足を縛られ、周りには男ばっか。
この状況だけ見れば、これから何をされるか安易に予想できる。
(…しくっちまったなあ…)
承太郎とちょっとした口論をして、別行動を取ったのがまずかったか…そんなことをボーッと考えていた。
(まずくなったら、チャリオッツでなんとかなるだろ…)
そう、思っていたから。
…でも、状況は俺の思っているほど楽観できるものではなくて…
俺は、自分の安易な決断を酷く後悔するはめに、なった。

「ふふ、俺らがスタンド使いって、思わなかったのー?ねえ、ジャンヌちゃん?」
「あ。っ…ぐぅ、…」
(身体が、熱いっ…!)
スタンドを出そうとしたら、出せなくなっていた。どうやらこいつらの中に、スタンドを封じるスタンド使いがいるみてぇで…
油断した、それに尽きるぜ。

「はーい、脱ぎ脱ぎしましょうねえ!」
「は、ぁ?!な、勝手にっ…」
「あれ、胸、潰してるの?どうしてー?大きくて、いい形してるの、にっ!」
「なっ、や、やめろ!」
胸元のさらしに手をかけられ、そのまま引きちぎられる。
いつも、戦いには邪魔だから、潰してる己の胸が、外気に晒されて強ばる。
(くそっ…)
感じる、訳には行かない。ここで快楽に溺れるようなことがあれば、俺は、…騎士として、戻れない…
男は息を荒らげ、胸に手を伸ばす。蹴っぽってやろうと思ったが、足の自由は許されていない。
「っ…ん、ぐ…」
少し乱暴に胸を弄られる。思わず跳ねた肩に自己嫌悪が止まらない。
(こんな、辱め受けるくらいなら…)

…自害を、と、舌を思い切り噛もうとした瞬間、それに気付いたのか、男の一人が俺の口に唇を押し付けてきた。
「む、っぐ?!」
そのまま相手の舌が口内を犯していく。そのざらつきや、わざと立てられた卑猥な水音が、俺の耳をも犯していくようで…思考回路が、麻痺していくのがわかった。
(くや、しい、…)
シェリーのこともあって、女を捨て、復讐に生きると、誓ったのに!
俺は、今、敵に犯されようとしていて、しかも…嗚呼、しかも…
「んっ…ふっぁ、…や、めっ…んむっ…」
慣れない快楽の波に、俺は、…翻弄されてしまっている。
とにかく、悔しくて、死にたくなっていた。

「っは、ぁ…はぁ」
「舌噛んでしのうとしたってダメだよ?ジャンヌちゃん。もっと俺らと遊ぼうぜ?」
「気、安く、…呼ぶなっつってん…だろっ…クソ野郎、ども…っ」
「ふふ、いいねえ!その反抗的な目、そそるよ?」
「…ど変態が…ぶっ殺してやる…!」
「そんな状態で、どうやって?」
「っぐ…!」
腹にパンチを受けて、息が詰まる。そして男の手はそのまま、下へ伸びた。
(?!う、そだろ?!)
「や、…お、い…何処に、手っ…入れてんだ!」
「どこって、ねえ…下着だよ。ジャンヌちゃんの、アソコ、あったかいねえ」
「な、あ…や、やめろ!汚い手でさわんな!」
一生懸命抵抗しようとするが…身体が、思うように動かない。
これも、スタンドの影響なんだろうか。
「少し、言葉がすぎるねえ…でも、あれれ?」
「ひっ?!」
下着を撫でていた手が、下着の中に滑り込んでくる。その嫌悪感に喉が鳴る。
「ジャンヌちゃん?ここ、すごいことなってない?」
「は、ぁ…ぁあ…?」
信じたくなかった。あんなふうに、無理やり弄られて…俺、女捨てたのに…なのに…っ!
「濡れ濡れ、だよね?」
ニヤニヤしながらこちらを見つめるゲスな目に…嫌でも、思い知らされてしまった…
(俺、感じてる、のかっ?!こんな、やつらに、そんなっ…!)
絶望で、頭の中がぐちゃぐちゃになっていくのがわかった。



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