小説

□斜陽【4】(承ポル) #
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 その日は日中からどこか調子が悪かった。
 最近変な夢を見るせいか寝つきも悪く、熟睡もできなかったから…だと、早めに布団に入った。
 そしたら、案の定夢を見たわけだが…問題は、その内容だった…。

『…っはぁ…』

(誰、だ…?)

『あ…ぐぅ…っ!』

(身体が…熱い…こ、れは…?)

『ん…っふ…、じょう…た、ろっ…』

(??!待てよ、この声…どっかで…)

 不思議な空間、月夜照らす中、俺は誰かを抱いている。
 熱を帯びた声、上がる息、襲う快感…自分の身に起きていることなのに、どこか、違うような…不思議な感覚…
全てが夢とは思えない臨場感を持っていて…しかも、その相手が…

 夢の中の俺がつぶやいた。確かに、アイツの、名を…。



『気持ちいいかよ…、ポルナレフ』

(な、っんだと…??!)

 そう…、夢の中の相手は…見知らぬ誰かでも、ましてや女でもなく…、保健医と同じ名を持つ…どこか顔も似ている…でも、雰囲気が少し違う、そんな人物だったのだ…。


『…っは、うっせ…い、いから、もっと…っん、突け、っつの…!』
『ふん…ずいぶんと言うようになったじゃあ、ねえのっ!』
『…ひっ、ん…あっ…!!』
『はっ、…どうした、さっきまでの、…威勢は…、よう、ポルナレフ』
『あ…っ、お、っ…まえだって…。ひっぐ…げ、んかいの、…くせしてっ…ん、ぐぅ…や、っべ……、俺、もっ…む、り…』

(何だよ…、これ…まじで…)

 響いてる水音も、途中口付けた相手の唇の感触も、何より…その、致している行為からくる圧倒的快楽が、やけに…リアルで…


『んだよっ、…もう、限界か…よっ!』
『あっぐぅ…!!ん、ぅ…あ。まじ…っ、む、りっ…あ、ぁあ…

イ…っく…んっ…ぐ、ぅう…!!』




「はっ…ぁ…!!」

 そこで、飛び起きた。
 汗が、滝のように流れ落ち、活きも荒くなっている。
 身体は熱を持ち、疼いている。


(さっきの…は、夢なの、か?…それにして、は…妙に…リアル…な…)

 思わず、さっきの夢の中の、アイツにどこか似た、相手の表情や何かを思い出してしまい、息を飲んだ。  


(あれは、いったい…)

 非現実的な内容に、驚くのもそうだが、何より男相手に…アイツによく似た奴とヤッて…それで、身体が、反応しているだなんて…そんな…

(俺は、…そういう、人種だったの、か…?)


 自らのゆがんだ性癖を垣間見てしまった気がして、思わず顔を覆う。


(どう、した、ら…)



 考えても、答えなどでるはずもなく
 俺は一人、上がった息を整えるためにベッドの上でじっと待った。




 朝が、来るのを…















(斜陽、揺らめく)

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