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□夏の終わり
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いつか夏が終わって
秋が来て
冬が過ぎたら
**夏の終わり**
「うぅっ…。」
俺は思わず目の前の光景にうめいた。
机の上に山積みになった
たくさんの課題。
「お、おわんにゃ〜い!!」
泣き叫ばずにはいられなかった。
全国大会を、優勝で飾った俺たちに待っていたのは、あり得ない量の課題だった。
夏休み前半は、ずっと部活三昧で、手をつけられなかった。
でもそのせいで、終盤の今になって苦労している。
「むぐぐ…。こうなったら…。」
携帯を手にしたその時…。
ピンポーン
「にゃ、はあーい!!」
チャイムがなった。
急いで玄関の扉を開けると…。
「よっ。」
「お、おぉ〜いしぃ〜!!」
「課題でへばってる頃かなって思ってさ。助太刀。」
「助かるよ〜!!今ちょうど呼ぼうかと思ってたんだ!!家に誰も居ないから、入って入って!!」
大石が神様に見えた。
「…であるからして、ここは二次関数を使って…。」
「あ、にゃるほど…。んじゃ、こっちは…?」
「それはこれとこれを連立させて…。」
「あー、はいはい。そういうことかあ…。」
と、何だかんだで半日が過ぎ…。
「ふっ…、んあ〜!!結構片付いたねん!!あとは日本史だけ☆」
「えーじ、日本史は得意だもんな。」
「うん!!おーいしありがと!!」
「いや、えーじもよく頑張ったな。」
「えへへ…。」
なんだか、大石に褒められると、むずむずするよ。
「あ、もうこんな時間かあ。俺、ご飯作るね!!なにがいい?」
「ん…、そうだなあ…。
えーじが作ってくれるのならなんでもいいよ。」
「あ、えっと…、そ、そっか!!分かったよん。んじゃ、腕によりをかけて美味しい料理作っちゃる!!」
「うん。楽しみだな。」
俺はほっぺの火照りを気にしながらも、すごく嬉しくて意気揚々と台所へ向かった。