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□終焉という名の先―誠実の君―#
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いつもの道を
いつもの様に
歩いた。
見上げると、茜に染まった空が広がる。
それは、確実に近づいている秋を身近に感じさせた。
またあの季節が
俺のもとにやって来る。
風が、足元の葉を散らした。
そして、葉はそのまま天高く舞い上がった。
「…、寒いよ、おーいし。」
俺をいつも暖めてくれたあなたは
もう隣には
居ない。
「…寒い…。」
頬を熱い何かが伝う。
その何かが伝ったところだけが熱をもち、だがすぐに冷えて冷たくなった。
空虚。
そこには
何もない。
あるのは
痛みだけ