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□歴代Web拍手作品集
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「はい、大石。あ〜んして?」
「いいって、えーじ。自分で食べるよ。」
「なに遠慮してんだよ。いーじゃん。ほら。」
「そ、それじゃ…、あーん。」

パクッ
「どう?黒糖ウルトラパワフルジャンボパフェのお味は?」
「ん。うまい。」
「うん。だろっ?優勝祝いだもんな。奮発してでも美味しいのたべなきゃねん★」

全国大会。そんな大舞台で、俺達は勝った。そして、優勝を掴んだ。みんなの手で。

もちろん、チームでの打ち上げはあった。
でも、練習が忙しかったせいで全然カップル(?)っぽいことしてなかったから、二人で出掛けよう、ってことになった。


英二がどうしても行きたいと言っていたカフェ。
俺達は向かい合って、各々のパフェをぱくついている。

ふと、英二を見ると、ほっぺにパフェの生クリームがついていた。


英二は、パフェを食べることに夢中になっているようだ。

「えーじ。」
「んー、なにー?」
英二が顔をあげた。

ペロッ
「へ…?」
俺は、ほっぺについた生クリームをなめた。
「クリーム、ついてたぞ。」
「あ…、あり、がと。」
英二は、俺の急な行動に驚いているみたいだ。
ふふっ、かわいいな。

「なんで、急に?」
照れ隠しなのか、スプーンを口にくわえたまま、そう聞いてくる。
「なんでって、さっきのお返しと優勝祝い、かな?」
「大石…。」


積み重ねてきた時間はそう長くは無いけど、その分密度の濃い毎日を二人で過ごした。

きっと、テニスが無くたって、この絆は変わりはしない。


だって…。




「ありがとうっ!!」
「ふふっ、どういたしまして。」

こんなにも


愛しているのだから…。










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