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□歴代Web拍手作品集
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「大石。」
「ん?なに?」
「見て。夕日があんなに綺麗。」
俺が指差す先には、今にも沈みそうな大きな夕日。
その輝きに、思わず目を細める。
「そういえば…。」
「え?」
大石は夕日、いや、それよりもずっと遠くを見ているようだった。そしてその横顔は、どこか寂しそうだった。
「俺達が、最後に反省会したのも、こんな夕焼けの綺麗な日だったな。」
「そうだね。」
『もう最後だ。ここに来るのは。』
少し前、まだテニス部でプレーしてたころに、俺がここで大石に言った言葉だ。
試合で負ける度に、二人で反省会をした。
そんな約束も、最高の形で護られた。
けれど…。
約束だけが、二人をつなぎ止めていた、なんて、そんなわけじゃないけど…。
でも…。
横にいる、遠い目をした大石を見ると、なんだか心細くなった。
「それじゃ…。」
「ん?」
「大石。俺は、大石に約束するよ。」
「何を?」
「俺は、大石の
」
太陽が、今まさに、地平線へと、その大きな姿を隠した。
俺達は、何事もなかったように、さっきとかわらず、太陽の軌跡をおっている。
ただ、一つ違うのは…。
固く繋がれた、
二人の
手
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