小説

□約束(以蔵×ヒロイン)[幕末志士の恋愛事情]
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交わした約束も

くしゃくしゃの手紙も

与えられた"未来"も

最後に見た顔も

狂い咲いた彼岸花(くれない)も

舞い踊る沢山の風車も

全部

ぜんぶ…

私の中にまだ残っている









答えて

約束は破らないと誓った貴方は









どこにいるの?


私は本当は、ここにいてはいけないのかもしれない。

私という存在が、これからの未来を、大きく変えてしまったのかもしれない。



これ以上、歴史が変わるその前に

私はここからいなくならなければいけないのかも、しれない。

それでも…

戻れる可能性が出て来た今でも

戻ろうとしないのは



貴方との約束があるから。





周りがなんと言おうと…私は貴方をずっと信じている。

優しくて…不器用で…人参が、嫌い。

子供っぽくて、剣が美しくて、凄く…凄く大好きな人。

貴方が破らないと言ったからには


貴方はきっと約束を果たしに此処に来てくれる。

彼岸花が、あの日の風車を思い出させる。


私の生きる未来は

貴方の隣以外に、無いんだ。

貴方は私の生きる目的。








だから…

もし、歴史を変えたという

大きな大きな罪を犯した私が

これ以上此処に留まることで

更なる変化と

更なる罪を犯すことになり

いつか

この身にその報いが来るのだとしても








私は



貴方を待ち続ける。

貴方が命懸けで守ったものを

私も守ってみせる。







だから









約束を果たしたその時には

うんと



甘えさせて。



思いっきり





我が儘言わせて。









会いたい…


会いたいよ…













恋い焦がれ

見上げた空に

朱が舞う

彼方の君に

届けと願う















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