譜面詩
□紳士録
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「 紳士録 」
さあ どうぞ、お嬢さん
手を差し伸べて
寒くて震える体に
コートを掛けて
本物を見破れないように繕う笑み
たまに気紛れに
ネクタイを緩めて
彼女を俺のものにしてしまってもいいかな?
キミは俺を受け入れてくれる?
本物か 偽りか
どっちを選ぶ?
例えば偽りを選んでも
今度はそれが本物になるから
迷うことはないよ
キミが選んだ方が俺になる
全てを見透かすようなその目
本当に分かってるのかな
案外、俺は難しいよ
じゃじゃ馬なキミを手名付けられるのはこの俺だけ
分かってるのかな
キミは
決して赤い絨毯の上を歩かないキミ
簡単には聞いてくれないらしい
そこがいいんだってね
S と M より S と S
素直に従っちゃつまらない
たまに唐突に
リボンを解いて
でもね今日はこれで失礼するよ
俺は紳士だから
そんな俺に惚れたんだろう?
ご機嫌よう お嬢さん…
―Writing by 皇―