砂時計

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神「嘘・・・だろ・・・?なぁ、嘘だろ!?嘘だと言え!!!」

任務から帰って来た神田に、アレンとラビが、蒼空が消えたことを伝えた。

ラ「嘘じゃねぇよ!蒼空は『ノアになんか為らない!!』って言った」



ノア・・・

そう言えば、今まで何度か『私がノアになったらどうする?』って聞いてきた・・・


神「アイツはノアなのか?」

ア「そこまでは分かりません。ただ、断言できるのは、蒼空が僕たちの敵になったことです」


蒼空が、俺の敵・・・?



アイツが『私がノアになったら・・・』と聞いて来た時

俺は、今までアイツになんて言ってきた?

「そんなこと、自分で決めろ」



違う。

あれはただの例え話だと思っていたんだ。

それがまさか・・・本気だったなんて・・・。


そうか。

だから、俺が「自分で決めろ」と言う度に傷ついた顔をしていたのか。




神「・・・チッ・・・・・・」


神田は席を立ち、談話室を出て行った。

アレンもラビも、神田を呼び止めることなど出来るはずも無く、ただ俯いた。



神田は司令室に向かう。

蒼空・・・

何故ノアを選んだんだ

俺が力不足だったからか?

ノアがそんなに魅力的だったのか?



バンッ

神田は司令室のドアをノックもせずに開け、ズカズカと入っていく。

コムイは神田の様子を見て悲しそうな顔をした。

コ「神田君・・・」

神「任務に行かせろ」

コ「・・・ごめんね、今の神田君に任務は行かせられ「いいから行かせろ!」

コ「神田君・・・。ごめんね、酷いことを言うようだけど今の神田君じゃ弱すぎるよ」

神「どういう意味だよ!」

コ「・・・自分の心に聞いてみるといいよ」



自分でもわかる。

精神的にかなり参ってるんだ。

それでも蒼空を早く見つけ出して言ってやりたいんだ

「お前はここに居ろ」と


・・・「俺にはお前が必要だ」・・・と。



神田は床に正座し、額が床に付く程低く頭を下げる。

神「頼む!それでも俺には蒼空が必要なんだ・・・!」

コ「・・・っ・・・うん、分かった。その代わり、ひとつだけ条件がある」


神田が顔をあげると、コムイは許可してしまったことをもう後悔しているようだった。

コ「・・・ノアに会ったら真正面から受け止めちゃ駄目だ」

神「!それじゃ行く意味g「約束できないなら行かせられない」



初めて見る、コムイの真剣で悲しそうな表情。

コ「もうこれ以上、仲間を失いたくないんだ」



何も言えなくなった神田は、仕方なく条件を受け入れた。

神「・・・わかった。だから、今すぐ・・・」

コ「・・・うん、これ・・・資料ね。急なことだからファインダーを派遣できないから・・」

神「そんなもんいらねーよ。俺一人で行く」


神田は資料を受け取り、立ち上がる。

コ「絶対に帰ってきてね」

神「・・・絶対に、蒼空を連れて帰って来る」



神田は司令室を出て部屋に行った。

団服を羽織り、荷物をまとめて地下水路に向かう。

地下水路にはコムイだけが見送りに来ていた。


コ「行ってらっしゃい。気をつけるんだよ」

神「・・・ああ」



神田はボートに乗り、自分で漕いだ。

コ「ちゃんと連絡は取ってね」

神「るせーな、分かってら」

コ「うん・・・。行ってらっしゃい」
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