夢舞台

□蜜時
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何故こうなったかなんて…


考えるのも野暮な事だ





『ハ、ハオ…?///』



僕は僕の下で戸惑いに瞳を揺らすシオンを見下ろした。



かち合った瞳は数秒間だけ互いの姿を映し出し、シオンが逸らした事でその時間(とき)は遮られた。



「今更恥ずかしくなった?」



『今更っていうか、ずっと恥ずかしかったんだけど…///』



わかっている…。



シオンは何度“こういう事”をしても決して慣れる事なく、いつも羞恥心を捨て切れないでいる。



毎度毎度のその反応は僕にとってはたまらなく、いつまでもその純粋さを失わないでほしいと思う反面、たまにはシオン自ら僕を求めてほしいとも思う。



「ちゃんと言ってあげただろう?
だったらシオンも…心の準備をしていてもらわないとね」



『………ハオはずるい…///』



拗ねたように口を窄(すぼ)めてそっぽを向いたシオンに、僕はクツクツと抑え切れない笑いを洩らした。



そういう反応が可愛いんだって、僕の心を捕らえて放さないんだっていう事を君は微塵も知らず、そして恐らく一生気付かないのだろう。



シオンがそんなだから、つい子供のような悪戯心が疼いて仕方なくなる。



「シオン…」



『な…ひょわっ!!?////』



そっぽを向いていた事で無防備になっていた首筋にこれ見よがしに舌を這わせれば、シオンは面白いくらいの反応を返してくれる。



「そこまで反応してくれるなんて…。
そんなに意識してた?」



『い、いきなりでびっくりしただけ!///
別にハオを意識してたとか首が弱いからとかじゃ全然ないからっ!///』



「ふぅん…」





───つまり…全部正解か…───





『あっ、疑ってる!
ホントにホントなんだからね!///』



「ハイハイ…」



そういう事にしておいてあげるよ。



シオンのために、ね…。



『ぶぅ〜…。
その顔と声は信用してない!』



「そんな事ないよ」





───鋭いなぁ…───





『あっ!その顔は嘘の顔!』



「………」





───流石(さすが)だよ、シオン…───





つくづくシオンに心中を悟られ、このままでは攻めである僕の立場が危うくなりそうだと感じ、言葉の応酬で警戒心の薄くなったシオンの服を素早く脱がしにかかった。



『きゃっ…!?///
ちょっ…ハオッ!ハオ…!///』



驚愕に反応が遅れ、そのわずかな隙にシオンの上着を脱がすなど僕には簡単な事だった。



『やだぁ!えっちぃっ…!///』



「それを今からするんだろう?
こんなもの邪魔じゃないか」



『私はいいなんて一言も言ってない〜!///』



「何をそんなに恥ずかしがる必要があるんだい?初めてじゃあるまいし」



『!!(かああっ!)///』



シオンの頬が一気に赤く染まり、羞恥に耐えられないとばかりにプルプルと震えだした。



つくづく初(うぶ)だなぁと思う。



『は…///』



「ん…?」



『はっきり言わないでよ!
ハオのばか!えっち!変態…っ!!////』



「………」





───ふぅん…





この僕を馬鹿とエッチと変態呼ばわりするなんてね





そんな事を言うシオンには…





仕置きが必要かな…?───





「言ってくれるじゃないか」



『あ…』



シオンの顔がしまったとばかりに歪むが、もう遅い。



「そこまで言うなら本当にそうなってあげようか」



『え…ええっ…遠慮します!!』



「そう言わずにさ…」



先程とはまるで正反対に真っ青になって硬直したシオンの身体に手を伸ばす。



シオンは恐怖からか抵抗はしなかったが、この世の終わりのような悲鳴を上げた。
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