Novel

□★What's their game?
1ページ/3ページ




「だ〜か〜ら!!こっちの機種の方がいいっつってんだろ!!」
「いや、絶対こっちの機種だね」
「ちょっと、お二方落ち着いて…」

私の家の携帯ショップで周りの客の目も気にせず大声で口論してらっしゃるのは、イギリスさんとフランスさんでした。
事の始まりは今日我が家で開かれた会議の後、フランスさんがイギリスさんを連れて私の元へやって来たことでした。


* * * * *


「なぁ日本聞いてよ、イギリスってまだ携帯持ってないんだってさ!!遅れてるよな!!まぁ持ってたとしてもアドレス帳は0件だろうけどね」
「う、うるさいばかぁ!!お前だって女くらいにしか連絡取らねぇくせに!!」
「彼女どころか友達もいないイギリスよりはマシでしょ〜」
「てめ、ドーバーに沈みてぇのかコノヤロウ!!」
「え、何そのセンスの欠片もない名前の海峡。カレーの間違いじゃないの?」
「あの…私に何か用があるのではなかったのですか?」

わざわざ呼んだくせに目の前で私を無視して繰り広げられるいつもの痴話喧嘩に半分うんざりしながら(残り半分は萌えながら)恐る恐る尋ねると、フランスさんはあぁそうだそうだ、と言ってイギリスさんを促します。

「そ、それでな、やっぱり今の時代は携帯くらい持ってたほうが良いと思って…日本の機械は性能が良いし…」
「俺もちょうど機種変更しようかと思ってたところだしさ。まとめて紹介頼むよ。そういうの詳しいだろ?」
「はぁ、まぁ詳しいといえば詳しいですかね…」

むしろ詳しいのは携帯そのものではなく中のネット世界ですが、という言葉は飲み込んで、こういうわけで私はこのお二人のために我が家の最新機種を紹介してさしあげることになったのでした。




次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ