novel
□rainy day
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「あれ?旦那お一人ですかィ?」
「ああ、そうだよ。つーか、お前そんな格好でいると風邪引くぞ」
「ここまで来るのに濡れちまいやしてねェ。気にしないで下せェ」
はぁ―
と、ため息をし、髪をクシャクシャと掻きながら
「それじゃあ俺ん家の床が濡れるだろーが。シャワー貸してやるから入って来いよ。ほんと風邪引くぞ?」
「でも俺、着替え持ってねェし…」
「良いよ、俺の貸してやるから。だから入って来いよ」
「…ヘイ。ありがとうございやす」
――…
―…
「旦那ァ風呂ありがとうございやした」
沖田はタオルを肩に掛けて風呂から出てきた。
「どう致しましてー」
「てゆーか旦那、この服で良いんですかィ?」
「悪ぃな寝巻きしかなくて。少し大きかったか?」
「あ、いえ。でも少しだけぶかぶかでさァ」
「いや、でも似合ってるよ?
それよりお前、髪の毛濡れてる」
沖田は拭くのが面倒くさいんでさァと答えた。
「しょうがねえ奴だな。
ほら、肩に掛かってるタオル貸してみ。拭いてやるから」
沖田は戸惑いながらも銀時にタオルを渡した。
「じゃあ、ここに座って」
ソファーに座っている銀時は沖田を自分の隣に座らせた。
旦那は何だかお父さんみたいでさァ。