真夏の太陽が容赦なく照らすこの昼下がり。執務室はもう熱気でいっぱい。こんな中俺の部下はというと、二人とも仕事はせず、どこかへサボりに行ってしまった。
俺ももう限界で、休憩がてら愛しの彼女を探しに行くことにした。
しかし、彼女の霊圧を探ってみてもどこにも感じない。
「あいつ…霊圧消してやがる。」
「ま、あいつのことだ。だいたい見当はつく。」
俺はある小高い丘に向かった。
案の定、彼女は丘に立っている大きな桜の木の下に座っていた。眠ってはいなさそうだ。
「おい。」
「あ、冬獅郎だー。」
座っている彼女は、立っている俺に対し自然と上目使いになる。
ちくしょう、可愛いじゃねぇか。
「何呑気に涼んでんだよ。」
「ちょっとくらい息抜きは必要だよー?ね、冬獅郎も座りなよ!」
自分の隣をぽんぽん叩き、俺に座らすよう促す。俺は呆れた顔を見せながらも隣に座る。彼女の隣は居心地がいいものだ。
「あとちょっとしたら帰るぞ。」
「えーっ。」
「えーっじゃねえ。今日はさっさと片付けてゆっくりしよーぜ。」
俺がそう言うと、彼女はこう言った。
「冬獅郎、大好きっ!」
暑さをもふっとばす
満面の笑顔で。
夏。
(君の笑顔は太陽よりも眩しい)
君を想う気持ちさえ、
溶けて溢れ出してしまいそう