1球目

□『子ネコ拾いました』シリーズ4
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練習が始まる1時間前…
それは偶然、篠岡とミハシの横を通りかかった時の事だった。

「じぁ、お使いお願いするね」
「う、んっ!」

お使い……?
ミハシが??

俺は聞こえた内容が気になり二人に声を掛けた。

「どうかしたのか?」
「あ、巣山君!実はね、オニギリのお塩が切れちゃってて買いに行こうと思ったんだけど…私今から監督のとこに行かなくちゃならなくて…それで困ってたらね、ミハシ君が代わりにお使い行ってくれるって」

ミハシを見るとキラキラした眼差しでこっちを見ていた。
そして胸元に拳を二つ作り力説するように……

「オレ、おつかい ひとり で 行けるよっ!」

自信満々に言うのだった。
かなり不安だ……。
そもそも西浦に来てから外に出たことないのにその自信はどこから来るんだ…!?
俺が一人で考え込んでいるとミハシは篠岡から地図を書いた紙とお金を受け取り『行ってき、ます』と嬉しそうに駆けて行ってしまった…。

「え!?あっ…ちょ、ミハシ!?」

俺はミハシを呼び止めようとしたがもう遅くて…。

「巣山君、悪いんだけど…ミハシ君が心配だからこっそり後をついていってくれないかなぁ‥」

頼んでみたもののやはり篠岡もミハシが心配らしい…。
俺は『わかった』と一言残しミハシの後を追いかけたのだった。
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