3球目

□Three secret persons
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「お疲れー!また明日な!」

帰り支度を整え次々に部員が帰っていく中、最後まで部室に残っていた阿部、栄口は三橋との3人だけになったのを確認するやいなや着替えに手間取っていた三橋をぎゅっと抱き締めた‥

「あ、阿部くっ‥栄口く、んっ‥/////」

前後から2人に急に抱き締められて三橋はアワアワとパニックを起こしながら顔を真っ赤に染め上げた‥

「三橋がいけないんだよ?早く俺か阿部かを選ばないから‥どっちか1人を選んでいたら少しは自制してあげれるのに」

前方から三橋を抱き締めていた栄口は三橋の顔を覗き込みながらニコッと微笑むと三橋は赤くなった顔を隠すように俯いてしまう‥

「ったく‥お前がさっさと俺だけを選ばないからこんな胡散臭い笑顔野郎とお前を奪い合わなきゃいけないんだろが‥」

後方から三橋を抱き締めている阿部は三橋の耳元で『なぁ俺にしておけよ‥』と甘く囁くと三橋は身体を固くさせ更に顔の赤みを増していった‥

「あはは、馬鹿言うなよ阿部‥お前がしつこく迫ってくるから優しい三橋はちゃんと断れないんだよ?もしかして気付いてなかったの?全く救いようもないくらい哀れだね‥お前みたいな俺様キャッチが三橋と付き合うなんて三橋が可哀想すぎるじゃないか」

ニッコリと笑いながら刺々しくそんな言葉を吐いていく栄口に阿部のこめかみからブチッッ‥と何かが切れる音がした。

「はっ、腹ン中ドス黒い奴がよく言うぜ!テメェこそ俺と三橋の間に勝手に入ってきやがって‥三橋の優しさにつけ込んでンのはテメェの方じゃねぇのか?さっさと三橋から手を退きやがれよ」

阿部は顔を引きつりながらもニッコリと笑い返しながら栄口に言い捨てると栄口との間にバチバチと火花を散らせていた……
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