哀歌夢

□はじまりの歌
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『―――――・・・』




白い白い世界。
ふわふわと漂う思考。



まるで・・・雲の中のように




何・・・?
どこ?ここ。


あたりをぼんやりと見回しても、視界に映るのはどこまでも白い世界のみ。


夢・・・?


まず、現実ではないだろうなとは思いつつ、再びあたりを見回す。

(どうでもいいが自分がこれを夢だと気づいたことに感動だ。)




『――――――・・・』




これ・・・歌が・・・聞こえる?


注意深く耳をそばだてれば何かしらの言葉が聞き取れるような気がした。





なんて言っているんだろう。





言葉だということは分かるのに、
はっきりと内容を聞き取ろうとすると、
まるで靄がかかったかのようにぼやける。



「あ・・」


なんだろうこの歌・・・。この、声。


気持ち良い。

体の内側に入ってくるみたいに、直接心に響いてくる。
あったかい・・・。




どこまでも心地良くて、どこか・・・



懐かしく、切ない歌。















・・・?
















「懐かしい?」


知っている・・・?
この歌を・・・私は・・・


自然と目は閉じられ、より歌が聞こえるように耳を澄ます。


「うぬぬぬ、せめて少しくらい言葉を聞き取れれば・・・」



『―――・・ルキ・・』







え?
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