哀歌夢

□出逢いとは
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―――バシャーン!!


背中に感じた何かに突っ込む衝撃と共に意識を取り戻した。




「!!っ」



衝撃と共に目を開けば、揺らめく水面と屈折した光が僅かばかり視界に映りこむ。




(え・・・?)




何だこれと思う前に、

肌を刺すような痛み――冷たさを感じ、驚いて開かれたその口からごぼごぼと空気がこぼれ出た。

そうして本能的に私は現状を理解する。


(水の中!?)



何故?と思いつつもとにかく息苦しさから逃れようと上に向かい泳ごうとする。だが予想外の服の重さに上手く身体が動かなかった。




(うそっ、どうなって、やば)




まずい。







目を必死に開き、
とにかくめちゃくちゃに手足を動かし、もがく。

服の抵抗で上手く水をかけずとも、目の前まで迫っている“死”の恐怖に、とにかく必死だった。

ここが水中でなかったら泣き叫んでるところだ。




苦しい、

苦しい、

息が・・・




「っ・・・!」


空気やら酸素ならさっき思い切り吐いてしまっている。

そのぶん思い切り飲み込んだ水が気管にまで入ってきて、息苦しいなんてものじゃない。


これ以上は無理だ
耐えられない!




ああいやだ、やだ!

どうして

何で

死ぬ!死んじゃう
苦しいよ、どうしよう死んじゃう!死んじゃう!死んじゃうっっっ!
















―――――――――――――――――――――――――――――――・・・・・・一瞬なのかもしれない。

ママンとか兄とか友達とか、あんま見たことないはずの父の顔。

それから・・それから・・・
色んな忘れていた人の顔や言葉や思い出がつぎつぎとフラッシュバックした。



そして・・・


――――『・・・・約束するよ・・』―――――――








今のは・・・。








「っ・・・―――」

ああだめだ、・・・重い。


あぁそうか


私このまま・・・死・・・









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