リク小説

□崖の下の梨花
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「何?ハイキングに行きたいだって?」



季節は雛見沢の山々が紅葉によって綺麗に染まる秋。俺達は放課後恒例の部活を終え、圭一の罰ゲームの準備が終わるのを待っていた。もちろん、その内容はメイド服着用で帰宅という、またこれも恒例の行事みたいなものである。

その待ち時間、俺達は明日が日曜という事もあり、何をして過ごそうかと話していた。その時、羽入がハイキングに行きたいと提案してきたのだ。



羽「あぅ!そうなのです!みんなで秋の山を楽しもうなのです!」



レ「はぅ〜☆それ良いねぇ♪レナも羽入ちゃんの意見に賛成なんだよ♪…だよ♪」



魅「そうだね!今の季節にピッタリの提案だねぇ。おじさんも賛成だよ!」



レナと魅音がそう言ったので、俺はチラッと梨花ちゃんと沙都子の方を見てみた。すると、二人も賛成の様で明日の弁当は何にするかを話している。……まぁ、圭一も賛成するだろうから、決まりかな。



「分かった。なら、明日はみんなでハイキングに行こう!後、魅音は詩音に行くかどうか聞いてみといてくれな?」



詩「聞いてみるまでもなく、私も行きますよ♪」



俺がそう魅音に言うと窓の外から詩音がひょっこりと顔を覗かせてきた。……何でいつも、突然現れるんだよ?



魅「うわっ!?いつ来たの!?てか、何であんたはいつも突然現れるのさ!?」



詩「それは面白そうな事が私を呼んでるからです♪じゃあ、そうと決まれば私もお弁当を作って来ないといけませんね♪」



『…………いや、作って来なくていい(ですわよ)(いいのです)』



詩音の発言に俺達は声を揃えてお断りした。何故なら、俺達は詩音の料理は殺人級だという事を自分自身の身体を持って理解している。その料理を食べた者………いや、詩音によって無理矢理食べさせられた者はそのほとんどが気絶をするか、食中りを起こす。


いくら酷くても、しっかりフォローしてあげられるレナでさえ、詩音の料理を食べた時にはトイレに駆け込みしばらく帰って来なかった事があるくらいの凶悪さだ。折角の楽しいハイキングを地獄に変えたくない。


詩「えぇ!?な、何でです!?」



『いいから、作って来るなぁぁぁ!!!!』



圭「ん?何騒いでんだよ?」



詩「あっ!圭ちゃん!みんな酷いんですよ!私がお弁当を作ってくるって言ったら、みんなして作って来なくていいって拒否するんです!」



圭「べ、弁当ぉ!?………す、すまん。何の話か分からんが、作って来なくていいぜ。………(地獄を見るのはもう沢山だ(汗))」



詩「け、圭ちゃんまで!?」



詩音の弁当と聞いた圭一の顔がサーッと音を立てて一気に青ざめていく。その気持ちは分かる。なんせ、圭一は俺、沙都子に次いで食べさせられる回数が多いからな。その凶悪さが身に染みているはずだ。
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