ひぐら小説2
□目覚めと再会
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入江先生に案内された地下の病室に入ると、そこには俺の予想していた通りの人物がベッドに寝かされていた。
入「………あの子が北条悟史君。沙都子ちゃんのお兄さんです。」
入江先生は少し顔を曇らせながらそう言った。………悟史。やっぱり、雛見沢に居たんだな。
「……入江先生。彼は何故、こんな所に?」
入「……一年近く前、彼は大変重い病気にかかってしまいました。」
「……重い病気?」
入「……あなたも知っている病気ですよ。」
「………雛見沢症候群ですか。」
入「……はい。沙都子ちゃんと同じ病気ですが、彼の場合はそれの末期症状だったんです。……今は少しずつですが良くなっています。しかし、今の状態で目を覚ますと非常に危険なんです。」
「……だから、こんな所に居る訳ですか。」
俺はそう言うと、悟史に目をやった。その姿は身体中に見慣れない色々な治療器具や点滴が施されていて、とても痛々しかった。
………悟史、約束通り見つけたぞ。早く目を覚ませよ?みんなが待ってんだぞ?
俺はそう思うと無意識に悟史の寝ている部屋に入ろうとした。
入「ちょ、ちょっと待って下さい!龍一君、何をしに入るつもりですか!?」
「……少し、沙都子やみんなの話をしてやってもいいですか?」
入「そ、それなら構いませんが、くれぐれも起こさないであげて下さいね?……もし、起きてしまったら、あなたに襲いかかるかもしれませんから。」
「ははは。大丈夫ですよ。………悟史とは前に会ってますから。」
入「えっ!?そ、それはどういう意味なんですか!?」
俺は驚く入江先生に何でもないと言うと部屋に入り、 悟史のベッドの横にある椅子に座るのだった。