ひぐら小説


□エンジェルモート
1ページ/5ページ

今は、昭和57年11月後半。龍一が雛見沢に引越してきて一ヶ月とちょっとが経っていた。



「……そうですか雇ってもらえませんか。分かりました。すいません、突然お邪魔してしまって。」



龍一はバイトを探す為、興宮にやって来ていた。



「はぁ。以外と雇ってくれるとこ見つからないなぁ。」



龍一が肩を落としトボトボと歩いていた。



キキーーッ!



龍一の隣に黒塗りの高級車が止まった。車の運転席から見慣れた男が顔を覗かせると、龍一に話し掛けてきた。



葛「やはり、龍一さんでしたか。遠くから姿が見えたのでもしやと思ったのですが。」



「……はぁ。葛西さん、こんにちは。」



葛「ん?元気が無いようですね。何かあったんですか?」



龍一と葛西は少し前にある事が切っ掛けで仲良くなった。そのある事とは、その日、龍一は茜に頼まれ接客用のデザートを作る為、園崎家にお邪魔していた。

そこで、魅音から葛西は甘いものが大好物で味にはうるさいと聞き、デザートの試作品を味見してもらったところ、大絶賛をもらったのだ。
それが切っ掛けで、二人は仲が良くなった。



「あは、あはは。……そう見えます?」



葛「何か訳有りの様ですね。ここでは何ですから、そこのレストランに入りましょう。もう昼過ぎですから。」



「あっ、もうこんな時間かぁ。……じゃ、行きましょう。葛西さん。」


二人は近くの「エンジェルモート」と書かれている店に入っていった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ