ZCの小箱

□D援軍登場!
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「今日は危なかったな、クラウド」
勤務を終えて寮の部屋に戻ってくると、チャーリーが労るようにクラウドに声をかけた。

「あ、うん……」
「ザックスさんがクラウドに向ってさ、目の色変えて突進していくんで俺たちマジでびびった」

確かにあのザックスはちょっと怖かった。
もしあのまま捕まってたら、自分はどうなってただろう?
きっとザックスの胸にかじりついて、周りの目も気にせずにキスしたり体をすりつけたりしていたことだろう。

オソロシイ。

そうなったらもう止まらない。
また昨日と同じくザックスを求めて色キチガイのようなマネを始めるに違いない。

「クラウド、しばらく俺たちから離れちゃダメだぞ」
クリスが心から心配そうに肩を叩いた。
メットも取り、制服を脱いでベッドに腰を下ろしていたクラウドはわかったというようにうなずいた。

「またザックスさんが襲ってくるかもしれないな」

セシルは本棚から一冊の冊子を取り出すとぱらぱらめくりだした。

「ソルジャーは一般人に手を出しちゃいけないんだ、確か」

「どういうこと?」クリスがセシルの手の中の冊子を覗きこんだ。

「うん、ほら、これさ、神羅軍に入った時もらった社の規定だよ」

あったあったとセシルは言うと、結構厚い冊子の中途に折り目をつけて開いた。

「何見てんの?」
チャーリーも気になるのかひょいと頭越しに冊子を覗いた。

「ソルジャー規定、第三条『ソルジャーは平時において一般人に<危害>を及ぼすことを固く禁じる。ただし、戦闘時においてはこの限りではない』」
「そんな規定あったんだ……」
「こんなの読んでるヤツいるか?」
セシルはおっほんと咳払いをした。

「読もうと読むまいと、これは罰則を伴う厳密な規定なんだよ!」
セシルはさらに続きを読んだ。

「『<危害>の意味するところには、力による恫喝、脅し等精神的ハラスメントも含まれる』要はさ、ソルジャーは一般人にパワーハラスメントをしちゃいけないってことなんだよ」

「へ〜〜!ソルジャーを縛る決まりなんてあったんだ!」
チャーリーが目を丸くした。
「そりゃそうさ!罰則もなくてやりたい放題じゃ神羅も世間に顔向けできねえって。そしてこの『一般人』っていうのは注釈によると、ソルジャー以外を指す。つまり俺たちだって兵士といえど『一般人』に含まれるわけだ」
セシルは得意そうに続けた。

「つまりね、ザックスさんがクラウドをしつこく追いまわすようだったら公に訴えることだって出来るってことさ」
クラウドはふっと顔をあげた。
「罰則って何?」

「え〜〜と」
セシルは冊子を数ページめくった。

「海底魔光炉強制労働、ミスリルマイン地下採掘場強制労働……ま、基本は隔離してしばらく強制労働って感じかな?ん、極刑もあるぜ。

残虐な犯罪ケースは……前頭葉ロボトミー施行後ラボラトリーにて管理」

クラウドの顔色が変わった。元々真っ白な頬から血の気が引き、真っ青になった。

「ソルジャーだって野放しってわけじゃないんだ、安心していいよ、クラウド」

セシルがそういうと、クラウドの顔色はますます悪くなった。

「あ、あの、オ、オレ別にザックスからそんな…ヒドイ目にあったわけじゃないし……」
おどおどした口調でそういうと、クラウドはいかにもな作り笑いを浮かべた。

「みんなが心配してくれるのは嬉しいけどさ、時間が経てばきっと解決するから」

やっぱりクラウドなんか変だ。
これは注意してみていかないといけない。時間が解決するなんていってるからレイプされた可能性は高い。
レイプされたヤツはみんなそう言う。
ザックスさんはクラウドをあきらめてないようだから、まだまだアブナイ。
クリスは妙にびくびくしてるクラウドの態度を見てそう確信した。
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