ああ
□やっぱり
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『リーフィア、はっぱカッター!』
効果抜群。
マスターの命令で僕が放ったはっぱカッターは、相手のブイゼルを一発で倒した。
『よくやったねぇ。リーフィア』
そう言ってマスターは僕の頭を優しく撫でた。
僕がイーブイから進化したのは、数日前。
何時ものように、野生のポケモンを倒した後、いきなり体が光った。
そして、気付いたらリーフィアになっていた。
マスターはおめでとう。と言ってくれたけど、実はあまり嬉しくなかったりする。
僕は、サンダースになりたかったのだ。
この前、勝負をしかけてきたトレーナーのサンダースを見て、マスターが格好良いな。と呟いたのを聞いたから。
だから僕はサンダースに進化することを夢みて、頑張ってきたというのに。
『それにしても強くなったね』
神様は意地悪だと、本気で思う。
サンダースになれば、今目の前で笑っているマスターをもっと喜ばせることが出来たのに。
『どうしたの?元気ないね』
「マスター…」
『なぁに?』
「マスター、は…」
『うん』
「マスターは、サンダースの方が良かったですか?」
『…ん?』
「リーフィア、よりサンダースの方が良いですか?」
あ。泣きそうになってきた。
頑張れ僕。
でも、サンダースの方が良いって言われたら多分泣く。
『…そんなこと気にしてたの』
「そ、そんなことって!」
思わず顔をあげると、マスターはニコニコと笑っていた。
『私はリーフィアの方が良いよ』
「…え?」
『大丈夫。私はリーフィアが一番好きだから。』
「!」
やっぱりこれで
(でも、サンダース格好良いって…)
(へ?違う違う。あれは靴のことを言ったの)
(靴?)
(あのトレーナーが履いてた靴、格好良いなぁ。と思って)
(…)
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勘違いリーフィア。