ああ
□冷たい理由
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『うぅぅ…』
「なんだ。五月蠅いぞ」
『冷たい』
「は?」
『ルカリオが、冷たい』
こんにちは皆さん。
私は、ついこの前(と言っても結構前)旅に出たばかりの新米トレーナーです。自分で言うのもあれだけど、弱いです。ジム戦なんてもうボロボロです。
ですがそんな私も、やっとの思いで昨日4つめのバッチを手に入れたんです。
私の数少ない手持ちのムクバードとブイゼルは大健闘の末、瀕死になってしまった。(ごめんねムクバード、ブイゼル)手持ち3匹のうち2匹が瀕死状態の私はまさに絶体絶命。
そこで、最後の頼みの綱であるルカリオに出てきてもらい、難無くバッチをゲット。
「私がいなければ負けていたな」
『…うん』
「弱いくせにジム戦なんかに挑戦するからだ」
『…手持ち増やそうかな』
「どうせ増やしたところで何も変わらん」
『…そうだよね』
あぁ。これですよ、これ。ルカリオさんは何故だか私にだけ冷たいのです。ジム戦の後の反省会だって私だけ責めるし。(いや、確に私が悪いけどさ!)
『…反抗期?』
「何か言ったか」
『いえ、何も』
そう言うと彼は近くにあった本を取り、読書を始めてしまった。
『ねぇ、ルカリオ』
「なんだ」
『仲良くしようよ』
「何故」
『だ、だって私、ルカリオのトレーナーだし』
「ジム戦のひとつ満足に出来ない奴が何を言う」
『で、も!』
「大体な、昨日だってお前はムクバードとブ
イゼルの事ばかり心配してただろう。私だって戦ったのに」
『…ルカリオ?』
「ジムリーダーを倒したのは私なのに」
『…ごめん』
吐き捨てるように言ったルカリオの顔は悲しそうだった。
冷たい理由は
(ごめんねルカリオぉ!)
(う、わ!おい抱きつくな!)
(冷たかったのは反抗期じゃなくて嫉妬だったのね!)
(…っ)
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