ああ

□冷たい理由
1ページ/1ページ

『うぅぅ…』
「なんだ。五月蠅いぞ」

『冷たい』

「は?」

『ルカリオが、冷たい』


こんにちは皆さん。
私は、ついこの前(と言っても結構前)旅に出たばかりの新米トレーナーです。自分で言うのもあれだけど、弱いです。ジム戦なんてもうボロボロです。
ですがそんな私も、やっとの思いで昨日4つめのバッチを手に入れたんです。

私の数少ない手持ちのムクバードとブイゼルは大健闘の末、瀕死になってしまった。(ごめんねムクバード、ブイゼル)手持ち3匹のうち2匹が瀕死状態の私はまさに絶体絶命。
そこで、最後の頼みの綱であるルカリオに出てきてもらい、難無くバッチをゲット。

「私がいなければ負けていたな」

『…うん』

「弱いくせにジム戦なんかに挑戦するからだ」

『…手持ち増やそうかな』

「どうせ増やしたところで何も変わらん」

『…そうだよね』


あぁ。これですよ、これ。ルカリオさんは何故だか私にだけ冷たいのです。ジム戦の後の反省会だって私だけ責めるし。(いや、確に私が悪いけどさ!)


『…反抗期?』

「何か言ったか」

『いえ、何も』


そう言うと彼は近くにあった本を取り、読書を始めてしまった。


『ねぇ、ルカリオ』

「なんだ」

『仲良くしようよ』

「何故」

『だ、だって私、ルカリオのトレーナーだし』

「ジム戦のひとつ満足に出来ない奴が何を言う」

『で、も!』

「大体な、昨日だってお前はムクバードとブ
イゼルの事ばかり心配してただろう。私だって戦ったのに」

『…ルカリオ?』

「ジムリーダーを倒したのは私なのに」

『…ごめん』


吐き捨てるように言ったルカリオの顔は悲しそうだった。












(ごめんねルカリオぉ!)
(う、わ!おい抱きつくな!)
(冷たかったのは反抗期じゃなくて嫉妬だったのね!)
(…っ)










ーーーーーーーーーー
前サイトの遺物


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ