ああ
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ぽかぽかと暖かい光が大きく開いた窓から差し込んでくる。
夏のように痛いほど照りつけてくるわけでもなく、かといって冬のように酷く冷たいものでもない春特有の光が私は好きだった。
「なーあー」
『…ん、なによ』
「つまんねぇーよぉ」
『…テレビでも見てなさいよ』
えー!とかなんとか騒いでいる奴はほっといて、ソファに深く座り直す。
胸に抱いたピンクのふわふわクッションが気持ち良い。
「なぁ、遊んでよ」
『…うーん』
唇を尖らせながら近寄ってくる赤毛を視界の端にいれながら、私は生返事を返す。
というか、お前昨日フリーザーとサンダーやら神の集まりやら言ってたじゃないか。
「あれは明日なの」
どうやら口に出ていたようだ。
しかし、フリーザー達は今頃どうしているだろうか。いかにもつまんなそうにソファの下へ移動する赤毛。
ソファに座る私の足の横に体操座りで座るのを見て、少し口元が緩んだ。
『…眠い』
「なになに、寝るの?」
暖かい光に体温が上がり、段々と睡魔が襲ってくる。中途半端だった瞼を完全に降ろすと、余計に眠くなった。
もうこのまま寝てしまおうか。そんな思考が頭を満たしかけた時、ふと体が傾いた。
『…なにしてるのファイヤー』
「体温分けあってるうー」
いつの間に移動したのか、ファイヤーは私の背中とソファの隙間に入り込んで私のお腹に手をまわしていた。
『離れて』
「いや。もっとくっつきたい」
『いいよ別に』
「え!いいの?やったあ」
『え、違う。いらないよって意味』
「んあー、ほんと抱き心地さいこー」
『ちょ!どこ触ってんのよ!』
調子に乗って、あらぬ所まで手を伸ばしてきたファイヤーに身をよじる。
「そんな動きして…誘ってんの?俺我慢弱いよ?」
『…は』
「この白い肌がなんとも…あぁ、俺駄目かも!」
『なに言って…や、め』
「その声!良いねえ。燃えるよ」
『ちょ、ん…』
「据え膳食わぬは男のなんちゃらってね!それではいただきま…」
『いい加減に、しろ!』
だって思春期だもの
(まったく眠気が吹っ飛んだわ)
(じゃあ、俺と遊んで!)
(絶っ対嫌!)
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