novel(female)

□ファッションヘルス やんちゃ姫
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連れて行かれたのは、間違いなく、そういうお店。
ヘルスっていうの? 本番はないけど、それに近いことをやってくれるお店。
写真で指名するんだけど、もちろんチェンジあり。
でも、きっと俺は、そんなのできない。人を変えるなんて、無理。
「だーいち、ほら、どれか選べよ」
榛名さんの言葉に、どきっとする。
『どれか』なんて、まるでモノ扱いじゃないか。
この写真の向こうにいるのは、間違いなく、女の人なのに。
だけど俺のそんな迷いがどうでもいいように、榛名さんが舌打ちする。
「俺が選ぶぞ!」
「ああああ、やめてくださいー!」
さすがにそれは悲しくなって、俺は改めて、選ぶためのちゃっちいブックタイプのファイルを広げた。
その中で、おそるおそる、一人を示す。
その人は。
それなりににこやかな、もしくは無表情な女の人たちが多い中で。
一人だけ、あからさまに仏頂面をしていた。
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