猫アリ Novel
□七夕
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「チェシャ猫っー!!」
アリスが飛び付いてくる。
いきなりでびっくりしたね。
アリスだからいいんだけどね。
「なんだい、僕らのアリス?」
「今日が何の日か知ってる?」
「……? シラナイよ」
ふふふ。とアリスが得意そうに笑う。
なんだか楽しそうだね。
「今日はね、七夕なんだよ!!」
「タナ……バタ?」
そう。七夕。とアリスは嬉しそうに言う。
初めて聞く言葉だね。
「……それは、おいしいのかい?」
「違う違う!! 七夕はね、織り姫と彦星が一年に1回出会う日なんだよ!!」
「おり…ひめと……ひこぼし?」
「そう。星よ、星。確か……琴座と鷲座……だっけ?」
……難しいことは、よくわからないね。
「あー、ほら。空の星にこういうのがあってね、これが織り姫。これが彦星。……多分ね」