時の扉

□雁字搦
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泣いて何かがかわるなら泣けばいい

涙が枯れるまで泣き続ければいい

けど、泣いて何も変わらないのなら泣く必要はない

泣くは入らない感情

涙は捨ててしまおう

自分を偽るために

今の姿は痛々しいほど

惨めだった

辛くなるくらい

もぅ誰も信じるな

何度も自分に言い聞かせる

親の愛は見せ掛け

偽り

嘘で塗り固められた

幻想

心配するふりをするだけ

何も見ていないのに

何も気付いていないのに

知ったような顔をする

都合のいい解釈

そんなものいらない

必要ない

本当に欲しいのは

そんな偽りじゃない

嘘の愛じゃない

生半可な優しさはいらない

傷を付けるだけなら

もう来ないで

もう構わないで

もう触れないで

もう愛さないで

私は貴方たちを

愛してない

愛せない

傷しか与えない親

私は生きることが辛い

死ぬ事も許されず命は

悲鳴を上げて

壊れていくのを待つ

私が私でなくなるその瞬間まで………







【雁字搦】
壊れたガラスは二度と元には戻らない

傷を負った心は悲鳴をあげる
 

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