妖精の扉
□始まり@
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…これはチェシャ猫がアリスを迎えに行くまでのお話し──
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「正気ですの!?アリスにシロウサギを追わせるだなんて!!」
「アリスが望んだんだよ。」
「だからって…壊れてしまうかもしれないのよ!?」
「私も、猫に賛成します。」
「ビル!!」
「真実は隠し通せるものではありません…それに、アリスが覚悟を決めたのです。」
「うっ……」
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「カザリツケってこんなのでいいのかい、ビル。」
「良いんじゃないでしょうか。」
チェシャ猫とビルは、教室の飾り付けをしていた。
「アリスが喜べば良いですね。」
「そうだね。」
──僕はアリスに会えればそれで良いけど。
「じゃあ、僕はアリスを迎えに行くよ。」
「──いよいよですか…会えるんですね、アリスに。」
「うん。じゃあ僕はアリスを導くよ…」
最初寝ているアリスを見た時、ドキリとした。
あの小さなアリスが、あんなにキレイになっていたのだから…
チェシャ猫は少し間を置いて、アリスにこう言った。
「おはよう、アリス。」
E N D