企画

□麦チョコと奇声
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今日、クロームに呼び出された。朝、ポストに紙切れが入っていた。棄てしまおうと思ってよく見たら、クロームからの呼び出しの紙切れだった。
そこには、
ぼすへ
今日はばれんたいんとかゆう日らしいので、ぼすにおかしをぷれぜんとします。
放課後黒曜らんどに来てください。

くろぉむより
と書かれていた。

横文字が全部平仮名……小学生かッ!!
朝から無駄にツッコんだツナだった。



平仮名だらけの手紙が気になって、授業も集中出来ないまま放課後になってしまった。
とりあえず、さっさと行ってツッコんで帰ろう。よし、そうしよう。

そう心に決めると、呼び止める獄寺や、京子の話しも聞かずに学校を飛び出した。




黒曜ランドに着いたツナは、何処から入っていいのか分からずウロウロしていた。
どうしよう…


「こんな所で何やってるの?沢田綱吉。」

ひッ雲雀さん!?

「邪魔だから退いてくれる?」
その声は、疑問系にもかかわらず否定を許さない。そんな声だった。


「はっはいぃ〜」
はっと、ツナは慌ててそこを退いた。


雲雀はそれが当たり前、とでも言うように無言で策を飛び越えて行った。

おっかね〜ッ
と、思ったそのとき…





「なっぽーは何処だぁぁぁぁ!!かぁらぁせぇろぉぉぉ!!!!」


ん!?
何か…何か、おかしいよ?

っていやいやいやいやいや!
おかしい飛び越して恐いし!!色んな意味で!
ツナはかつてない程の冷や汗をかいた。


そんな時、
「あ、ぼすだ。いたいた。」
おーい!ぼぉすぅぅぅ!!と、クロームが叫んでだ。


そっちに気付いたツナは、クロームに手を振った。




何処から入ったらいい?と聞いて、飛び越えて。と言われたツナが20分以上かけて息も絶え絶えに飛び越えると、
ぼすってやっぱ運動音痴だね、とストップウォッチを首から下げたクロームに言われた。


ツナが落ち込んでいると、さらに追い討ちをかけるように
26分73、か…って遅ッ!?小学生か!


冒頭の自分のツッコミを持ってこられさらに落ち込んだツナに、73をツッコむ気力はなかった。




クロームに着いてこいと言われ、黒曜ランド内を移動しているツナには一つ気になることがあった。
それは、さっきから近くなったり遠くなったりしている
かぁらぁせぇろぉぉぉぉぉぉ!!と言う声と、
あははははは!、あははあははははははは!!と言う声のことだ。

だいたい予想が出来るが、こうなった経緯が知りたい所。
そこでクロームに聞いてみることにした。


大きく深呼吸した。
よし。
「ねぇ、クローム…さっきかr「聞こえない!!」」


えー!?それは…ちょっと、アレじゃない?


気を取り直してもう一度聞くことにした。
「ク、クローム?あのs「聞こえないってば!!しつこい男は嫌われるよ!」」

えー…


そうこうしている間に、目的の場所に着いたようだ。

クロームは自分の鞄をガサガサ漁ると、
「はいぼす。あんはっぴぃばれんたいん。」
と麦チョコを差し出す。


アンハッピーって…
「クローム…あのさ「ぼす、受け取ってくれないの?」」
クロームが小首を傾げる。


……
「あはは、ありがとう…」
完全に棒読みだった。


「じゃ、ぼす。気をつけて帰ってね。」

そう言われてしまったツナは、トボトボと歩き出した。

途中で殺されないように、気をつけてね!
あはは、気をつけて帰るよ…


もはやツッコむことが出来ないツナは、只のマグロ…じゃない。ダメ人間だった。
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