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□これからのこと
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 その光景を、ダイゴの思わぬ角度から見ていた者がいる。
 部屋の下、庭にてポケモンに食事を与えていたセナである。
 ダイゴたちのいた所からセナが見えたということは、当然、セナからも彼らが見えるのだが、たぶんダイゴは気付いていない。
 それだけリオンに集中していたのだと思う。
 あの、ダイゴくんが
 そういえば、彼には婚約者がいるのではなかっただろうか。
 親が決めた婚約者が。
 少なくとも、ダイゴは婚約者の名を傷付けるような行動はしてこなかったはず。
 大企業の御曹司。ホウエン地方リーグチャンピオン・・・・・・華々しい肩書きがあろうと、人並みには恋愛感情を持つことはあるだろう。
 婚約者を大事にしているといった訳でもないが、親に従っていても、彼としては問題はなかったのだろう。
 その上で、今まで婚約を破棄してまで一緒に居たいと思った女性に巡りあわなかっただけなのだろう。
 今までは。
 リオンが現れるまでは。
 セナは朧気に理解した。ダイゴが、リオンの保護を下りようとした理由を。
 さっきの時点では、セナ側の拒否した理由はあの二点と、後付けとなったもう一点だ。
 だが、ダイゴの事情を察したからとはいえ、じゃあリオンちゃんは任せてよと言い出すのもおかしい。第一、これはただの勘だ。直接言われた訳でもないし、証拠もない。
 それに、ダイゴは誠実な男だ。常に誠実でありたいと、体面を気にしている男だ。
 だから、問題になる前に頼んだのだろう。いかにも誠意の籠もってそうな口実を付けて。
 だが、問題なんて起こりっこないと思う。
 そして、彼が選んだ少女なら、問題だろうとなんとかできると思うのだ。
 いずれにしても、いい加減な憶測に過ぎなかったが。
「フラァ!」
「ヤッコヤッコ!」
「スバスバー!」
「ポロッポー!」
 フライゴンやヒノヤコマ、オオスバメにポッポがおかわりを要求する。
「はいはぁい、たぁんとお食べ」
 食い意地の張ったポケモンたちに向かってポケモンフーズを撒きながら、セナはしみじみ呟いた。
「これからどうなるんだろうねぇ」





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